042-765-6460
(営業時間|平日9:00~17:00)
認知機能を支える皮質下の組織
  • 仕様:B5判並製
  • 355ページ
  • ISBN978-4-88359-322-4
  • 発行日:2014/04/30

認知機能を支える皮質下の組織

-神経心理学的評価からの啓示-

Leonard F.Koziol / Deborah Ely Budding

岩田まな 監訳

定価7,150円(本体6,500円+税)

在庫:あり

フォームから注文

概要

神経心理学は高次脳機能障害と大脳の損傷部位とを対応させようと研究され、大きな貢献をしてきた。しかし人間の高次な機能を完全に説明するには至っていない。本書は、高次脳機能を大脳皮質間の連関だけで説明するには限界があり、誤った解釈に陥る可能性さえあることを警告している。皮質と皮質下の連携という縦断方向の観点が重要であることを詳述した先見的な書物であり、今後の研究の方向性を指し示す貴重な図書である。

目次

  • 謝 辞
  • はしがき
第1章 序章:運動、認知、縦断的に組織化されている脳
  • 認知症の患者なのか?
  • なぜ皮質中心という偏見をもつようになったのか?
  • 縦断的に組織化された脳システム
  • 理論的、歴史的流れ
  • 変化する環境に対してどう対応しているのか
  • いつ行うのか―意図的プログラム
  • 行動プロセス理論と前頭線条体システム
  • 分析的記憶システム
  • 系統発生学からの見方
  • 興奮 対 抑制
  • 「いかに」運動を適用させていくか―興奮と抑制の特質を変える―
  • 要約
  • References
第2章 基底核:運動システムを超えて―運動から思考へ-
  • 基底核の解剖学的構造および分類
  • 基底核回路
  • 線条体への特殊な投射
  • 直接路と間接路
  • 視床下部神経路
  • 皮質線条体路
  • 基底核―皮質下ル―プ
  • 皮質―線条体システムは何をしているのか?
  • 3つの選択経路―暫定的まとめ
  • 運動活動から認知への応用
  • 前頭線条体システムの働きの例
  • 背景情報に関する感受性:基底核の学習機能
  • 高次の認知機能とワーキングメモリー
  • ワーキングメモリーはどのように働くか
  • 背景情報と高次コントロール機能との関係
  • 基底核と自動的行動
  • 自動的行動対高次コントロール機能の交互活動
  • 行動選択における皮質―皮質下統合モデル
  • 学習と行動実現のために働く線条体
  • 行動の決断をする前頭前野皮質
  • 病的/発達障害
  • 要約
  • References
第3章 前頭葉―皮質下の真の状態:局在、局在、局在
  • 前頭皮質と前部回路の分類
  • 背外側前頭前野回路(DLPFC)
  • 眼窩前頭回路(OFC)
  • 内側前頭回路(MFC)/前部帯状回回路
  • 運動回路
  • 運動、認知、意欲、感情の類似性
  • 前頭葉システム症候群
  • 要約
  • References
第4章 学習と基底核:活動と強化から得られるもの
  • 大脳基底核と学習
  • 下側頭葉と頭頂葉ループ
  • カテゴリー化と分類
  • 学習における正と負の強化
  • 要約
  • References
第5章 小脳:コントロールの質、創造性、洞察力、気づきのないワーキングメモリー
  • 小脳の表面解剖
  • 大脳と小脳―下部構造の表面比較
  • 小脳の下部構造
  • 小脳と運動機能以外の機能
  • 小脳のプロセス学習
  • 皮質―小脳回路
  • 小脳と外側交叉コントロール
  • オリーブ―小脳システム
  • 小脳機能に関する理論
  • 小脳機能に関するハイブリッドモデル
  • 協調して働く脳の3つのシステム
  • ディスメトリア―その意味するところ
  • ワーキングメモリー、特殊性、創造性、才能
  • 臨床症状
  • 小脳性認知・情動症候群
  • 後頭蓋窩症候群
  • 小脳欠損
  • 極早産児
  • 行動上の特徴によって診断するDSM-Ⅳ
  • 調整器としての小脳
  • 測定障害―アンダーシューテイングとオーバーシューテイング―
  • 要約
  • References
第6章 コミュニケーションの自動性と高次のコントロール:言語と社会認知へ
  • ジェスチャー、コミュニケーション、ことば
  • 言語の叙述的―手続きモデル
  • 社会的認知―自動的システムと高次コントロールシステム
  • XシステムとCシステム
  • 社会的認知、社会スキル、非言語的コミュニケーション
  • 言語と社会的認知の二重システム
  • 要約
  • References
第7章 臨床的精神障害を縦断方向の脳結合でみる
  • 強迫性障害
  • 注意欠陥多動性障害
  • 統合失調症
  • 統合失調症における基底核
  • 統合失調症における小脳機能
  • マッピング解剖と症候学
  • その他の障害
  • 気分障害
  • アルツハイマー病
  • 要約
  • References
第8章 親密性と新奇性-前頭線条体システムの評価-
  • 前頭線条体システム
  • 前頭線条体システムの機能
  • 判断パラダイム
  • ダイナミックに位置を変えるコントロール機能
  • 神経心理学的検査と前頭線条体システム
  • 前頭線条体システムの統合をみつける検査法
  • 言語流暢性テスト
  • ストループ色単語検査
  • 伝統的な問題解決「前頭葉」テスト
  • 課題の比較
  • 連続パフォーマンスとゴー・ノーゴー課題
  • 通常使われている神経心理学的認知テスト:何を測っているのか
  • 要約
  • References
第9章 行動における思考:手続き学習、処理速度、自動性
  • 処理速度
  • 処理速度の測定
  • 処理速度―認知/遂行コントロールの副産物
  • 練習効果
  • 練習効果のタイプ
  • 神経心理学的評価における手続き学習
  • ウェクスラーの迷路
  • トレールメイキング検査
  • 知覚―運動スキル学習
  • サブ回路の分化
  • 運動適応
  • 要約
  • References
第10章 基底核と神経心理学的検査
  • 解釈パラダイム
  • 成績レベル
  • テスト得点の比較/パターン分析
  • 医学的な徴候
  • 身体の側の比較
  • 症例の紹介
    1. 症例1
    2. 症例2
  • 運動機能:評価対象ではなかった
    1. 症例3
    2. 症例4
  • 人格機能PAI
    1. 症例5
  • 要約
  • References
第11章 神経心理学的評価における小脳
  • 症例情報
    1. 症例1
    2. 症例2
    3. 症例3
    4. 症例4
  • 要約
  • References
第12章 統合された脳:神経心理学的評価からみえるもの
  • 「なんでも皮質が行う」のではない-相互反応の柔軟性が大切なのである
  • 臨床応用
  • References

  • 訳者あとがき
  • 索 引

監訳者紹介

岩田まな(いわた まな)

帝京平成大学 健康メディカル学部 言語聴覚学科

※発行時の奥付より

訳者紹介

  • 岩田まな(いわた まな)
  • 吉村貴子(よしむら たかこ)
  • 山澤秀子(やまざわ ひでこ)
  • 阿久津由紀子(あくつ ゆきこ)
  • 岩田盾也(いわた じゅんや)
※発行時の奥付より

装幀

正誤表

ファイルサイズ 89KB:[ダウンロード