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デザイン・バイ・マネジメント
  • 仕様:A5判並製
  • 262ページ
  • ISBN978-4-88359-326-2
  • 発行日:2014/09/03

デザイン・バイ・マネジメント

Design×Management

八重樫文・岩谷昌樹

定価2,200円(本体2,000円+税)

在庫:あり

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概要

「マネジメントの領域におけるデザインとは、組織全体として最大限に活用すべき、貴重で稀少な経営資源である。」しかし、デザインを有効に活用し、その最大価値を創出している企業がまだそう多くない。本書では、いままさにデザインを「最高の相棒」として市場を闊歩・席捲している企業のダイナミズムをつかまえて逃さず、そこに横たわる特性を活きのいいままに切り取り、描き出していく。

目次

  • まえがき
第1章 経験経済におけるデザイン・ベースの企業戦略
  • 1.経験経済と感情口座
  • 2.スターバックス型経済における5つの経験価値
    1. スターバックスに見る5つの経験価値
    2. イケアに見る5つの経験価値
  • 3.デザイン・ベースの企業戦略
    1. 経験の4E領域における顧客の4Sを満たすデザイン
    2. デザイン・ベースの企業戦略
    3. 組織に委ねられる競争優位の持続性
  • 4.デザイン・ベースの企業戦略の必要性:模倣困難なリソースとケイパビリティ
    1. スターバックスに見る「遍在」と「偏在」のジレンマ
    2. 探検者として顧客を扱う
  • 5.本章のまとめ
第2章 デザイン・ベースの企業戦略における「デザイン経験」のマネジメント
  • 1.差異化―違う土俵で戦うということ
    1. デザイン・ベースの企業戦略における「差異化」
    2. ターゲット(Target)に見る「違う土俵」で戦うということ
  • 2.レゴにおける経験価値とリソース・クエスチョン
    1. レゴにおける5つの経験価値
    2. レゴにおけるブランディング
    3. ストール・ポイントとその脱却
  • 3.レゴの経験価値マネジメントとブランディング
    1. レゴの経験価値マネジメント
    2. レゴにおけるブランディング
    3. ストール・ポイントとその脱却
  • 4.デザイン経験を顧客に授けるためのマネジメント
    1. レゴの基盤を支えるデザインシステムとデザイナー
    2. シナリオ・プランニングに沿ったデザイン経験の創出
    3. コンカレントデザインの思想性
  • 5.本章のまとめ
第3章 グッドデザインによるビジネスモデルの構築
  • 1.2000年代後半,サムスンは何を成し遂げたのか?
  • 2.デルタモデルにおけるグッドデザインでの顧客囲い込み
    1. グッドデザインによる最高の製品創出
    2. グッドデザインによる顧客ロイヤルティの獲得
    3. グッドデザインによる市場支配
  • 3.アップルのビジネスモデルにおける代替可能性と専有可能性
    1. ビジネスモデルにおける代替可能性と専有可能性
    2. アップルのビジネスモデルにおける代替可能性
    3. アップルのビジネスモデルにおける専有可能性
  • 4.グーグルに見るビジネスモデルのデザイン
    1. グーグルのビジネスモデルにおける専有可能性
    2. グーグルのビジネスモデルにおける代替可能性
  • 5.本章のまとめ
第4章 イノベーションとデザインマネジメントの関連性
  • 1.バトル・フィールドにおけるイノベーション
  • 2.イノベーターのDNAと解釈的取り組み
    1. イノベーターのDNA
    2. 解釈的取り組み
  • 3.イノベーションを推進する3つの段階的活動とデザインマネジメント
    1. 学習すること
    2. 組織化すること
    3. 構築すること
  • 4.本章のまとめ
第5章 ファンタジー経済とデザインのWowファクター
  • 1.経験経済からファンタジー経済への移行
  • 2.デザインのWowファクター
  • 3.デザイン主導型企業の"FLAVOR"に基づく考察
    1. FLAVOR:Focus(焦点)-OXO
    2. FLAVOR:Long-term(長期間)-Aleesi
    3. FLAVOR:Authentic(本物である)-Francfranc
    4. FLAVOR:Vigilant(絶えず警戒を怠らない)-Samantha Thavasa, ZARA, H&M, Virgin Atlantic Airways
    5. FLAVOR:Original(独創的)-SENZ umbrella, Bose, Roomba
    6. FLAVOR:Repeatable(反復可能)-Tefa
  • 4.本章のまとめ
第6章 コラボレーション経済におけるデザインとブランドの関係性
  • 1.コラボレーション経済とデザインのWow & Powファクター
  • 2.Y世代に向けたブランドの構築
  • 3.CRUSHモデルに基づくデザインとブランドとの関係性の考察
    1. CRUSH:Cool(カッコ良い)
    2. CRUSH:Real(ほんものである)
    3. CRUSH:Unique(独特である)
    4. CRUSH:Self-brand identification(私を定義するもの)
    5. CRUSH:Happiness(幸せである)
  • 4.ブランド価値の確立における3Dの問題を解決するデザインの役割
  • 5.本章のまとめ
第7章 デザインによるブランディング
  • 1.デザインが導くブランド強化
  • 2.デザインとブランディングとの接続性
  • 3.3Dに基づくデザインとブランディングとの接続性
    1. 定義(Definition):自社が何者であり,何を行うところであるのか
    2. 提供可能性(Deliverables):消費者の利益になるか
    3. 差異化(Differentiation):どうやって違いを出すか
  • 4.3Dに基づくデザインによるブランディングの事例:メソッド
    1. メソッドに見る「定義(Definition)」
    2. メソッドに見る「提供可能性(Deliverables)」
    3. メソッドに見る「差異化(Differentiation)」
  • 5.顧客を推奨者に変えるためのデザイン
  • 6.本章のまとめ
第8章 デザイン・バイ・マネジメント
  • 1.「デザイン」について
  • 2.良いデザイン,悪いデザイン
    1. 良いデザイン
    2. 悪いデザイン
    3. デザインマネジメント論における良いデザイン,悪いデザイン
  • 3.4つのデザイン戦略,4つの潮流
    1. 4つのデザイン戦略
    2. 企業とデザインに関する4つの潮流
  • 4.提示:デザイン・バイ・マネジメント

  • あとがき
  • 参考文献・URL
  • 初出一覧

著者紹介

八重樫文(やえがし かざる)

立命館大学経営学部教授、立命館デザイン科学研究センター DML(Design Management Lab)事務局長、専門はメディアデザイン論、デザインマネジメント、デザイン教育

岩谷昌樹(いわたに まさき)

東海大学政治経済学部教授、立命館デザイン科学研究センター DML(Design Management Lab)客員研究員、博士(経営学)、専門は国際経営論、グローバル企業の戦略、デザインマネジメント

※発行時の奥付より

装幀