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文字書体の法的保護
  • 仕様:A5判並製
  • 442ページ
  • ISBN978-4-88359-357-6
  • 発行日:2019/04/01

文字書体の法的保護

-タイプフェイス・フォント・ピクトグラム

葛本京子・大家重夫

定価2,750円(本体2,500円+税)

在庫:あり

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概要

現在、日本には2000書体前後のデジタル書体があるという。流麗な書体、毅然とした書体、温かみのある書体、滑稽な書体、寄席文字・・・。文章に使われるとき、私たちは、読みやすく、目が疲れず、できれば意識されない書体がいい。書体デザイナーが権利を主張されることは少ない。本書は、読書人、ビジネスマン、裁判官、弁護士などのために「文字書体の法律面での現状と提案」を、法律研究者と書体デザイナーが述べたものである。

目次

  • はじめに-書体、タイプフェイス、字体、フォント、ピクトグラムの用語について
第一章 タイプフェイスの例示
  • 一. タイプフェイスの例示
第二章 タイプフェイス制作者に「書体著作権」を与えたい
  • 一. 正木香子氏、鳥海修氏へのお願い
    1. 正木香子氏の文字書体の紹介
    2. 故木村恒久氏のタイポス観
    3. 鳥海修氏の謙虚な意見
    4. 文字書体保護法(案)
    5. 文字書体保護法(案)の説明
    6. 正木香子氏、鳥海修氏へのお願い
第三章 文字書体の制作者からの発言
  • 一. 文字書体の制作者・フォントベンダーの置かれている立場
    1. 制作会社で、ベンダー
    2. 同業者の集まり
    3. 視覚デザイン研究所のタイプフェイス
    4. 顧客との契約について
    5. 顧客が無断で、第三者に使用させた事例
    6. テレビ朝日事件敗訴の感想
  • 二. 写研とモリサワ―視覚デザイン研究所から見たゴナU事件の背景
  • 三. 文字書体を無断複製され、被害を受けた事例
    1. 海賊フォントを販売する業者―無断複製物はインターネットで拡散する
    2. テレビ朝日・イマジカ・文字書体無断使用事件―原告の立場から
    3. ロゴタイプ制定書体に、市販フォントの無断改変は許されるか
    4. ゲームにおけるフォント無断使用事件(和解)
  • 四. フォントの使用許諾契約
  • 五. 視覚デザイン研究所のフォント
  • 六. TPPにあたっての文字書体制作者からのお願い
第四章 文字書体をめぐる判例
  • 一. 印刷用文字書体に関する知的財産権判例(二〇一八年)
  • 二. 印刷用文字書体保護の現状と問題点(一九八七年)―ゴナU事件判決以前
    1. ワープロの普及とデジタル文字
    2. デジタル書体とその法律的問題点
    3. 印刷用文字書体をめぐる訴訟
    4. 印刷用文字書体保護の現状
    5. 印刷用文字書体保護には著作権法改正か意匠法改正か
  • 三. 印刷用文字書体の法的保護の現状と課題(二〇一三年)―ゴナU事件以後
    1. 印刷術の発明と文字
    2. 文字デザインに「権利」はあるか
    3. タイプフェイス創作者、権利者の要望と「あるべき姿についての私見」
    4. タイプフェイスを具現したフォントの変遷
    5. タイプフェイスについての下級審判決
    6. ゴナU事件最高裁判決
    7. 最高裁平成一二年判決再考
    8. 民法七〇九条による保護
    9. 意匠法による保護
    10. 不正競争防止法による保護
    11. デジタルフォントの時代
第五章 ゴナU事件最高裁判決について
  • 一. 印刷用書体の著作物性―ゴナU事件最高裁判決
  • 二. 印刷用書体の著作権法改正による保護―最高裁平成一二年九月七日判決を契機に
    1. 最高裁判決の概要とその意味
    2. コンピュータ・プログラムの場合
    3. 印刷用書体保護の必要性
    4. 印刷用書体保護の特殊性
    5. 印刷用書体の保護は、著作権法がよいか
    6. 著作権法に何を規定するか
  • 三. ゴナU事件判決を再考する(二〇一八年)
    1. 最高裁の判断
    2. 最高裁判決への疑問
    3. 最高裁判決でよかった点
    4. 最高裁判決で困った点
第六章 民法七〇九条と最高裁北朝鮮映画事件判決
  • 一. 知的財産権法は、不完全である
  • 二. すべてのデータベースが保護されるわけではない
  • 三. 自動車データベース(翼システム)事件
  • 四. 民法七〇九条によって「知的財産」が論ぜられた事例
  • 五. 北朝鮮映画事件(最高裁平成二三年一二月八日判決)の衝撃
  • 六. 最高裁判決の再考、変更を期待する
第七章 タイプフェイス保護のための新法制定を提案する
  • 一. デジタルフォント保護法の制定を提案する(二〇一六年)
    1. 「デジタルフォントを保護する法律」の提案
第八章 ピクトグラムの保護
  • 一. ピクトグラム事件(大阪地裁平成二七年九月二四日判決)について
    1. ピクトグラム
    2. 大阪地裁判決の要旨
    3. 「電話受話器」ピクトグラムの福岡地裁の判例
資料 判決文―文字デザイン・デザイン書体に関する判例一覧
  • 資料1 ゴナU事件一審判決
  • 資料2 ゴナU事件控訴審判決
  • 資料3 ゴナU事件最高裁判決
  • 資料4 モリサワ対ディー・ディー・テック事件
  • 資料5 テレビ朝日・文字書体無断使用事件
  • 資料6 テレビ朝日・文字書体無断使用事件
  • 資料7 大阪観光施設ピクトグラム事件
  • 資料8 北朝鮮映画事件

  • 参考文献
  • あとがき―なぜ本書を出版するに至ったか
  • 判例索引

著者紹介

葛本京子(かつもと きょうこ)

株式会社視覚デザイン研究所社長。所属:A typⅠ、JTA・知的財産権委員会、タイポグラフィ学会、日本工業所有権法学会、JAGDA・創作保全委員会、著作権情報センター。

大家重夫(おおいえ しげお)

久留米大学名誉教授。株式会社インタークロスIT企業法務研究所客員研究員。京大法卒、旧文部省に27年間間勤務、文化庁著作権課課長補佐、著作権調査官等を経て1988年から、久留米大学法学部教授。

    【主要著書】
  • 「肖像権」新日本法規・1979年5月
  • 「ニッポン著作権物語」出版開発社・1981年5月
  • 「最新 肖像権関係判例集」ぎょうせい・1989年4月
  • 「最新 企業秘密ノウハウ関係判例集」(河野愛氏と共編)ぎょうせい・1989年5月
  • 「宗教関係判例集成」第一書房・全10巻・1994年7月
  • 「最新 著作権関係判例集」(共編)ぎょうせい・全10巻・1995年5月
  • 「改訂版ニッポン著作権物語」青山社・1999年1月
  • 「タイプフェイスの法的保護と著作権」成文堂・2000年8月
  • 「著作権を確立した人々―福沢諭吉先生、水野錬太郎博士、プラーゲ博士 第2版」成文堂・2004年4月
  • 「唱歌『コヒノボリ』『チューリップ』と著作権―国文学者藤村作と長女近藤宮子とその時代」全音楽譜出版社・2004年9月
  • 「肖像権 改訂新版」太田出版・2011年8月
  • 「著作権文献・資料目録(2010)」(黒澤節男氏と共編)著作権情報センター・2012年3月
  • 「美術作家の著作権―その現状と展望」(福王寺一彦氏と共著)里文出版・2014年2月
  • 「ウルトラマンと著作権―海外利用権・円谷プロ・ソムポート・ユーエム社」(上松盛明氏と共編)青山社・2014年12月
  • 「インターネット判例要約集」青山社・2015年12月
  • 「シリア難民とインドシナ難民―インドシナ難民受入事業の思い出」青山社・2017年1月
※発行時の奥付より

装幀